世の中にないことを提案したいですか?
もしそういう思いで起業しようとするなら、今日の話を聞いて下さい。
こんにちは。藤本です。
起業して成功するかどうか、最初で最大の意思決定が業種選びです。
一人で起業する場合、その起業が成功するかどうかの80%はここにかかっていると言ってよいです。
なので、ここは「何となく」とか「そうしたいから」ではなく、冷静に判断する必要があります。
目次
収益を上げられずにやめていく起業家たち
起業したいのは、好きなことを仕事にしたいから、という人も多いと思います。
しかし、一方で起業した人のうち、起業した人のうち5年後の生存率が15%という数字もあります。
なぜ多くの起業家が生き残れないかと言えば、収益が上げられていないからです。
当たり前ですね。
で、収益を上げられていないのは、なぜなのか?
方法がまずかったのか?
本人が努力をしなかったのか?
そういう場合もあるかもしれませんが、多くのケースは、需要がない業種で起業してしまった、ということです。
厳然たる事実として、需要・ニーズの無いものは絶対に売れません。
逆に言うと需要がある業種を選択した場合は、収益を上げていくのは、それほど大変なことではありません。
「世の中に無いものを提案したい」は危ない
起業をするのだから、自分がやりたいことで、好きなことを仕事にしたいというのは自然な感覚だと思います。
しかし、そこから発展して「世の中にないもの」を提案しようとするのは非常に危険です。
「新たな市場が創造できるほど、個人の起業家の力は大きくない」
ということを理解しておくべきです。
厳密に言えば、もしかしたらニーズがあるかもしれないアイデアを思い付くのは、可能かもしれません。
しかし、そのことを社会に知らしめて、「需要」と呼べるまでにマーケットを育てていくのは、個人の力では限界があります。
スティーブ・ジョブスがいるじゃないか、マーク・ザッカーバーグがいるじゃないか、と思うかもしれませんが、iPhoneやFacebookのような新たなカテゴリーをたった一人で生み出して普及出来た、というのは、かなり奇跡的な確率になります。
その裏では、同じようなコンセプトを考えつきながら、世の中に広げることが出来ず、夢破れていった人たちが数千人、数万人いることを忘れるべきではありません。
だから特に起業の初期では、「世の中にないもの」ではなく、「世の中にあって確実に収益になりそう」な業種を選択すべきです。
「競合がいないから良い」も危ない
同じように起業家が陥りがちな業種選択の基準として
「競合がいない業種を選びたい」
という視点があります。
これも需要がない業種につながりがちなので注意が必要です。
基本的に「競合がいないというのは市場がない」と考えるべきです。
「誰も考えたことがないアイデアを自分だけが思い付いた。これは競合がいないからすぐやろう。」と考えるのはほとんどの場合、ただの思い込みです。
世の中にいる企業や起業家は、同じような業種を既に考えたはずです。
そして、詳細な市場調査の結果、需要がないと判断して、そこには進出していないだけだ、と考える方が自然です。
個人の起業家の場合、業種レベルでの差別化は考える必要がありません。
競合がいる業種でも良いのです。
むしろ競合がいるということは、需要があるという何よりの証拠です。
その業種の中で、競合よりもあなたを選んでもらう小さなレベルの差別化があれば良いのです。
「それいいね!」「そのサービス欲しい!」という声には注意
あなたが提供するサービスや商品を、友人や家族に話したときに
「それいいね!」
「そのサービス欲しい!」
と言われることがあるかもしれません。
しかし、この声に惑わされてはいけません。
ビジネスを成立させるためには、「お金を払ってもらう」必要があります。
起業家は、シビアにその部分を見ていかなければなりません。
「いいね」「欲しい」の後には
「タダだったらね・・」
「自分は買わないけど、世の中には買う人もいるかもね・・」
「欲しいけど、無料で他のサービスがありそうだよね・・」
という気持ちが隠れていることがあります。
いや、むしろその方が多いと思った方が良いです。
「それいいね!」
「そのサービス欲しい!」
と言ってくれた友人や家族は、悪気があって言ったのではないと思いますが、本当にリアルに消費者の立場でコメントしているわけではないのです。
これは友人・家族でなくても同じです。
大企業でも、新商品を世の中に出すときに、事前の調査は必ず行いますが、その調査の中で、商品の詳細も伝えて、価格も伝えた上で、「絶対買う」と答えていた人でも、いざその商品が販売されると買わない、なんてことは普通にあるわけです。
「お金を払うニーズ」と「無料だったら使いたいニーズ」との区分は重要です。
1つの見分け方は、あなた自身が、かつてそのサービスや商品にお金を使ったことがあるか、を考えると良いでしょう。
自分がお金を払っていないものに対しては、世の中の人もお金を払っていないと考えるべきですね。
大規模な先行投資が必要な業種も避ける
需要の話から少し離れますが、これも重要なので書いておきます。
収益を得る前に、大規模な先行投資が必要な業種と言うのは、極めてリスクが高いです。
投資した結果が、どう転ぶか誰にも分からないからです。
成功すれば良いですが、失敗した場合、借金を抱えたり、次のビジネスを立ち上げるのに必要な資金を失ってしまうことになります。
これは取り返しがつかないのです。
大規模な店舗や、人材育成、システム投資などが必要な業種は、こういった理由で避けるべきだと考えます。
売れる業種の「条件」と「調べ方」
では、確実に収益が上げられる業種とは、どのような業種でしょうか?
それはズバリ、お金を払うニーズがある業種です。
ここまでの話の流れからしたら、当たり前ですね(笑)
では、そのような業種をどのようにして探せばよいのでしょうか?
売れる業種を探すためには、マーケットリサーチが必要です。
マーケットリサーチと言うと、何だか小難しいことのように思いますが、調べ方は至って簡単です。
以下の3つで大体予想がつけられます。
(1)すでにその業種で成功している個人事業主がいる
(2)その業種関連の雑誌がある
(3)Yahoo知恵袋、教えてGooで関連するたくさんの質問がされている
まず(1)すでに成功している個人事業主がいる、というのが一番確実な情報です。
先行者がいて、その人がその事業からの収入だけで生活出来ているなら、何よりお金を払うニーズがあることの証拠になります。
あとは、その人のマネをすれば、同じように収入が得られるということです。
次に(2)その業種関連の雑誌がある、というのもニーズを測る重要な手がかりです。
雑誌というのは、需要に敏感なので、販売されているということは出版社が需要があると見込んでいるということです。
売れない雑誌はすぐに廃刊になります。
なので、雑誌があればある程度、ニーズがあると見込めます。
もちろん雑誌を手に入れるには低額ではありますが、お金を払うので、少なくともお金を払うニーズがあると判断することが出来ます。
最後に(3)Yahoo知恵袋、教えてGooで関連するたくさんの質問がされている、というのも大事な手がかりです。
ここでたくさん質問があるということは、それだけ悩んでいる人が多い、ということです。
厳密には、お金を払うニーズかどうかまでは、ここでは分かりませんが、内容が深刻だったり、緊急だったりする場合は、お金を払うニーズがあると判断することも出来ます。
起業前には、是非上記のようなマーケットリサーチをして、お金を払うニーズがある市場を正しく判断するようにしましょう。
事業ポートフォリオを組むというオプション
あれもダメ、これもダメで、何だか夢のない話をしてきたかもしれません(笑)
これが現実だし、起業するからには継続して成功して欲しいので、「起業のリアル」をお話しているわけですが、でも、どうしても「世の中にないことを提案したい」と考える方もいるでしょう。
1つ方法があります。
それは、事業ポートフォリオを組むことです。
確実に稼げる”メイン事業”を1つ持っておいて、そこでしっかりと収益を出しつつ、それとは別に「世の中にないこと」のような”チャレンジ事業”も立ち上げるのです。
こうすれば、”メイン事業”で収入は得られている状態になるので、仮に”チャレンジ事業”がなかなか収益を生み出さなかったとしても長期間継続することが出来ます。
もし”メイン事業”無しに、”チャレンジ事業”一本だった場合、収入が得られなければ長期間”チャレンジ事業”を継続することが出来なくなります。
もし”チャレンジ事業”がヒットして、収益を生み出したときには、そのチャンレンジ事業を”メイン事業”にシフトし、もともとやっていた”メイン事業”はやめれば良いのです。
「世の中にないこと」「好きなこと」に集中するのは、それからでも遅くはありません。
世の中には「新たなチャレンジばかりしている」ように見える企業や、「儲かりそうにないのに好きなことを追求している」ように見える個人起業家がいます。
でも、実は彼らはその裏で、「稼げる事業」か「膨大な資産」を持っています。
だから、そういうチャレンジが出来るのです。
ここは冷静にそう捉えなければなりません。
彼らの表面だけを見てはいけません。
このように、稼げる事業を常に1つ持っておくことは、起業家に非常に大きな利益をもたらします。
だからこそ、個人で起業するときは、最初は「確実に稼げる事業」からスタートすべきなのです。
ということで、起業プロセスの中で最も重要な業種選びについてまとめてみました。
是非、正しく業種選択をしてみて下さいね。
それではまた。
Have a good day!
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