会社員を辞めて起業する場合、色々な場面で感覚が違うところがあります。
この違いを認識しているのと、していないのとでは、成功の確率が変わってきます。
こんにちは。藤本です。
12月に入り、今年を少し振り返っていたのですが、そのときに起業1年目のことをしみじみと思い出しました。
私の起業1年目は既にこのブログでもお伝えしているように、8か月連続収入ゼロなど、散々な内容でした。
が、でもそこから気づきがあったからこそ、今の私があると思います。
そこで、私が起業1年目に犯した失敗や気づきについて書いてみたいと思います。
特に会社員から起業する場合、同じ失敗をする可能性がありますので、是非参考にしてもらいたいです。
経費を使いすぎる
最初に感じたのが経費感覚の違いです。
特に私は会社員時代、1部上場企業などの経営コンサルティングをやっていたことがあり、紙で出す報告書や資料の類には、非常に多くのコストをかけていました。
そのときの感覚では、100ページ以上もあるパワーポイントの会議資料であっても、1枚1スライドでカラー印刷することは、当然のことで、かつ急な参加者増に備えて、5人出席する会議でも、予備を含めて8部は印刷する、という習慣でした。
このときの感覚のまま、起業して、最初にセミナーをしたときに、参加予定はたった2人だったにもかかわらず、急な参加者も想定して7部印刷して(もちろん1枚1スライドで全ページカラー印刷)、キンコーズからその請求書を見たときに、そのコストの高さにびっくりしました。
確かに資料の見た目は要素とても重要ではあるのですが、そんなコストがかかっている感覚は1ミリも持っていませんでした。
これは、自分の金銭感覚が狂っていたな、と感じさせられた最初の経験でした。
他にも、交通費や出張の宿泊費など、自分のコストとして捉えたときに、会社員時代とは全く違った感覚になったことは、よくありました。
一番の大きな感覚のずれは、起業前に、資金を投入してあるITシステムを構築しようとしたことです。
そのシステムが飯の種になると考えていたわけですが、そこで考えていたITシステムなんて、個人で発注しても、200万~300万くらいはかかるものです。
当時の感覚としては、それくらいの投資は当たり前だと思っていたんですよね。
このシステム投資は、ある方の反対で止めることになりますが、今考えると恐ろしいことをしようとしていたことになります。
税金が高いことを忘れる
税金は1年遅れでやってくることを忘れてはいけません。
起業1年目の収入はわずかなものだったにも関わらず、税金は前年の会社員時代の収入ベースで請求されました。
もっとも、起業1年目の収入の少なさのおかげで、2年目の税金はびっくりするぐらい安くなりましたが。。
会社員時代は、基本的に給与天引きで税金が引かれるため、ほとんど税金について意識することはないわけですが、個人起業になると、この税金はとても重く感じることになります。
市場ニーズを軽視する
企業というものは、元々、ある程度市場ニーズが見込める分野で、事業を展開しています。
でないと、その企業は存続できませんので。
なので、その企業の中で働いている限りは、ある程度の市場ニーズがあるのが当たり前、という環境で働いています。
そのため、会社員生活が長くなればなるほど、市場ニーズに敏感になるという感覚が失われます。
それどころか、自分が市場を作り出せる、今までにない新たな価値を提案できる、という感覚すら持ってしまいます。
しかし、それが通用するのは、企業の中にいるからであって、個人になった瞬間に、そんな力はないことを痛感させられます。
自分が市場ニーズのある分野に合わせていかない限りは、事業が存続できません。
私の1年目の8か月連続無収入の時期は、そのことに気づいて、自分をニーズに合わせることに要した期間でもありました。
自分のことを客観的に見られると勘違いする
私は、元々、どんな場面でも比較的冷静でいられるという性格でもあり、また10年以上経営コンサルティングを仕事にしてきたこともあり、自分自身のことも客観的に見ることが出来ると思っていました。
しかし、起業してからは、そんなことは全くないと思い知らされました。
全く自分自身のことは客観的には見ることは出来ないものです。
例えば、自分が書いたメルマガの文章が、相手にどのように見えるのか、ということすら、自分では冷静に判断できません。
「この表現は主語がよく分かりません」
「これでは誰に向けて書いた文章かがよく分かりません」
という指摘は、他人にもらって初めて気づけます。
「もっと価格は高くでも大丈夫です」
「これはニーズがないですよね」
という指摘も、他人からもらって初めて自分で冷静に判断できます。
会社員の間は、知らず知らずのうちに、同僚や先輩、上司から、そういった指摘を受けているものです。
鬱陶しいと思うこともあるでしょうが、そういった客観的な目が常に周りにあるのは、ある意味恵まれています。
しかし、起業してからは、そういった指摘をしてくれる人がいなくなります。
これらの指摘をもらうために、私は、起業してから多くの期間、他の経営コンサルに依頼をして、客観的に意見をもらうようにしてきました。
ウサイン・ボルトや、タイガー・ウッズのような世界的なアスリートでも、傍らには必ずコーチがいます。
多くの場合、そのコーチの方が、そのアスリートよりも、技量や成績は劣るでしょう。
でも、そういうコーチが必要なのは、世界レベルの人でさえも、自分自身は客観的に見られないということなのです。
ということで、私が特に起業1年目で感じた、会社員との感覚の違いについてお話してきました。
見逃しがちなことも多いですが、いずれも大切なことですので、会社員から起業する場合は、特にお気を付けください。
それではまた。
Have a good day!
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