商品・サービスの価格付けで悩んでませんか?
こんにちは。藤本です。
講師やコンサル、アドバイザー業で起業する場合、迷うことの1つが商品の価格付けです。
物販の場合は、原価に利益を乗せた価格が販売価格になるわけですが、講師、コンサル、アドバイザーは、原価もありませんし、自分自身で決めていかなければなりません。
それでも同業他社が多い場合は、ある程度それを参考にすることも出来ますが、同業他社が少ない業種の場合は、市場の相場感というものがないので、参考になるものもありません。
そこで、価格付けについて、どういう考えでつけていけば良いかをまとめてみたいと思います。
自分が欲しい収入から逆算する
まずはざっくりと、自分が欲しい月収を考えましょう。
そして、1か月に何人ぐらいの見込み顧客に販売するのが可能かを考えます。
その希望月収を、販売顧客数で割ったものが、つけるべき価格ということになります。
シンプルですね。
シンプルですが、これがある意味価格水準を知るのに役立ちます。
コンサルティングやアドバイザー業の場合は、グループではなく、個別に対応しなければならない業種もありますね。
そんな業種で、仮に1日1人の顧客にサービスを提供するとしましょう。
そうすると、週休2日と考えて、1か月で延べ約20人にサービスを提供することになります。
もし1か月60万円の月収が欲しいなら、単純計算で、1人につき1回3万円づつ課金していくことになります。
これが、もし1万円で価格付けしていたとすると、その1/3しか月収が得られない、ということになってしまいます。
だから、1日1人で、月収60万円を目指すならどうしても3万円の課金にしなくてはなりません。
これが自分が欲しい収入から逆算する方法ですね。
しかし、この方式で計算した場合、自分が想定する価格より高くなってしまい、どうしてもそんな価格がつけられないと考える人もいるかもしれません。
その場合は、次に、以下のように考えていきましょう。
支払い額の壁を意識する
顧客サイドから見た場合、支払いが出来る価格は大きく3つの壁で仕切られています。
まずはゼロ円と1円の違いの壁です。
要するに無料か有料かの違いです。
見込み顧客の中には、その分野には1円も出さないと決めている人たちがいます。
だから、そんな人たちはたとえ100円でも支払ってくれません。
ビジネスをする以上、こういう人たちをターゲットにする必要はありません。
次に市場の値ごろ感という壁です。
この壁は、競合先や類似サービスが大体どれくらいの相場価格なのかが、見込み顧客の中に存在している場合に、それなりに強く働きます。
例えば、500mlのペットボトルの水は100円~200円ぐらいのイメージだと思いますので、それ以上の価格の水は買わないという人がかなりの割合で発生します。
最後にターゲットの財布の上限という壁です。
どんなに価値があるものでも、物理的、心理的に一度には出せない額というのがあります。
例えば、1,000万円を一度にポンと出せる人は、世の中にそう多くはありません。
この額は、もちろんターゲットによって変わります。
収入の多さもそうだし、お金というものに関する意識の違いもあります。
そのため、一般的に、学生は社会人よりも上限額は低いですし、会社員よりも起業家の方が、上限額は高いことが多いです。
壁と壁の間の金額であれば、あまり集客の労力は変わらない
ここで面白いのは、壁と壁の間の金額であれば、どのような金額であろうと、集客の労力はあまり変わらない、ということです。
例えば、先ほどの例で、500mlの水は、最初の無料か有料かの壁を越えてしまえば、次の市場の値ごろ感の壁までは、高くても安くてもそれほど需要が変わらない、ということです。
なので、50円でも100円でも、実はそれほど販売の労力は変わりません。
しかし、値ごろ感の壁を越えて、300円になると、途端に販売に苦労するようになります。
同じように、市場の相場感がないサービスの場合、コンサルティングなどは典型的ですが、こういった場合は、無料か有料かの壁を越えてしまえば、ターゲットの財布の上限までは、高くても安くても集客の労力はあまり変わりません。
よく、1万円を超えてしまえば、2万円も4万円も集客の苦労は変わらない、なんて言いますが、まさにそんな感じです。
なので、市場の相場感がある商品・サービスなら、まずは市場の相場価格で、それがないならターゲットの財布の上限で価格設定してしまうのが、1つの方法です。
相場価格感、財布の上限の調べ方
理論的には上記の通りですが、とは言え、相場感とか、財布の上限とか言われても、具体的にどのくらいかピンと来ない人もいるでしょう。
これらは、実際に価格を変動させて調べていくしかありません。
そのため、最初はやや低めに価格を設定して、様子を見ながら、徐々に値上げをしていくのが良いです。
高い価格から安くしていくのは、先に高い価格で購入頂いた顧客があまり良い思いをしないので、低めから徐々に上げていくのが良いです。
そうすると、急に申し込み数が減る価格帯や、ターゲットががらりと変わる価格帯が見られます。
ここが、それぞれ相場感や、価格の上限の壁だと考えると良いでしょう。
欲しい収入が、この範囲で得られるのであれば、その価格帯で提供するのが楽です。
相場価格感、財布の上限を超えた価格にしたい場合
さらに、相場感や、財布の上限を超えた価格を設定したい場合は、少し工夫が必要です。
それは、分割という考え方です。
例えば、ゼロから最後まですべての面倒を見るアドバイスサービスを100万円で販売したいけど、ターゲットの財布の上限が50万円だとします。
その場合、サービスを2つに分割して、ゼロからある程度出来るようになるまでの初心者コースを50万円、さらにそこからプロになるまでの上級者コースを50万円、のように分割するのが1つの方法です。
他にも、最初教材で勉強してもらったり、セミナーで多人数で学んでもらったりするコースを低価格に設定して、その後の本格的なサービスを高額に設定するフロントエンド・バックエンド方式や、1回の提供にするのではなく、月々の支払いにする月謝方式、基本サービスを比較的手ごろな価格に抑える一方で、オプションをつけるLCC方式、最初の着手時と結果が出てからと請求を分ける成功報酬方式などがあります。
いずれもフルサービスを分割して、上限内の価格に抑えるという方法です。
こうすることで、見込み顧客の心理的な抵抗感は抑えることが出来ます。
ということで、価格付けについての考えをまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。
それではまた。
Have a good day!
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